AIコラム vol. 6

AIコラム vol. 6

2025.1.10

【AIは子育てにどう生かせるのか】

ライター 半田孝輔

AIエージェントの躍進と展望

進歩の勢いが止まりそうにないAI。2025年はアポ取り、資料作成といったさまざまな複数業務を人間同様にこなす「AIエージェント」が躍進する年といわれています。ついにここまで来たか! という驚きを隠せませんが、全世界どこにおいてもこの1年でオフィス業務は大きく変わりそうな予感がします。グーグル・クラウド・ジャパン合同会社の日本代表 平手智行氏も新年の挨拶で「AIエージェント元年」への展望を語っています。

    

さて、今回のコラムはこれまでとは少し異なる視点からAIについて考えていきます

      

  テーマは『子育て』   

    

少子高齢化、産業構造の変転、日本全体の経済力の衰退など、さまざまな事象により「夫は外でがむしゃらに働き、妻は家事や子育てに従事する」という“昭和”的なモデルは成り立たなくなっています。

夫婦共働きで家計を支えるのはもはや当たり前。2人で家事や育児を協力しながら…とはいえ子育てが大変なことには変わりない。ましてや、子どもは大人と異なり数年でライフステージが大きく変化するため、多くの助けと知恵が必要とされます。

しかし、現在は人口減少の時代。とくに都市部においては待機児童問題を抱えていたりと、人の支援だけでは需要を賄い切れなくなっています。

         

    ~AIによる支援サポート~   

そこでAIの活躍が期待されるのです。すでに子育てに関連したAIサービスを提供している企業は国内にもあり、その内容もさまざま。大手からスタートアップまで規模の大小を問わずサービスが開発されており、AIの発展とともにニーズの高まり、競争の激しさは増していきそうです。

では、子育てにおけるAIのサポートの中身として、どのようなものが想定されるのか。たとえば、個別最適化された学習支援、日々の健康管理、発達段階に合わせた育児情報の提供、障害等の早期発見などが挙げられます。

また、レシピや買い物リストの作成、掃除・洗濯等の自動化といった家事の負担を減らすことで間接的に子育ての負担を軽減するという活用法も考えられます。

         

   ~もっと身近にAIを活用してみませんか?~   

実際に提供されているサービスとして、AIベビーシッターや24時間相談可能なチャットボット、育児コミュニティ、教育・保育・療育アプリなどがあります。

また、東京都港区においては行政と企業の連携による「まちの子育てAIパートナー」の提供を2024年10月から開始。港区LINE公式アカウント上で、子育て相談から申請手続きまで一括して行うことができるなど、住民サービスとしても広がりを見せています。

当コラムを目にする方は企業や個人店の経営者が多いかと思います。

職場のトップという顔だけでなく、親としての顔を持つ方も多いことでしょう。多忙ななかで子育てに日々悩まれているかと思いますが、AIサービスを活用して子育てにかかる負担を減らし、家族内でも職場内でも円滑な人間関係を築いていきましょう。

また、新規事業としてAIによる子育て支援サービスを展開することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。子育てに関する課題は尽きることがないなかで、AIはまだまだ進化しています。「子育て × AI」は営利的なマーケット内におさまるものではなく、社会的な価値を生み出すことにもなるでしょう。

(個人的にはAIを育てることが子どもを育てることにも似ているなと思いながら、chatAIと会話をしています)

           

               提供されているAI子育て関連サービス                 

【子育て相談サービス「ともいく」】チャットボット・アイ先生による相談対応。24時間365日対応。

【トモイクプラットフォーム(β版)】育児コミュニティの提供、AI保育士「さくら先生」によるサポート。         

        

・「保育士バンク!」「KIDSNA」など保育業界・子育て世帯向けのサービスを展開

※トモイクとネクストビートは2024年12月に共同で「次世代子育てサポート実証実験」を行うことを発表      

      

・AIを活用した発達分析機能による保育・療育支援サービスを提供。       

       

株式会社プラスアルファ・コンサルティング

・AIを活用した教育支援システムを提供。統合型スクールマネジメントシステム「ヨリソル」など。