あえてAIに活用される戦略を考えてみる -AIO時代は到来している-

あえてAIに活用される戦略を考えてみる -AIO時代は到来している-

2025.2.10

ライター 半田孝輔

AIの動向に追いつけない

「AIエージェント元年」と呼ばれているだけあり、2025年を迎えてから雪崩を打つようにAIに関わるニュースが飛び込んできます。新サービスの登場、あるいは企業間の提携など。すでに一般提供されているサービスのバージョンアップが進んだり、これまでβ版として運用されていたものがサービスを終了・移行して本格的に始動したり。

たとえば、Googleは検索エンジンはもとよりメールやドキュメントなど、オフィス用のアプリにチャットAIのGeminiが実装されました。他にも、私が文字起こし用に重宝していたLINE WORKS社のCLOVA Noteはβ版を終了し、LINE WORKS AINOTEへサービスを統一。

それらの動きと並行してGoogle社のNotebookLMが躍進を遂げていたりと発展が目覚ましく、動向に「追いつけない・追いていかれている」感があるのは私だけではないはずです。試しにNotebookLMに音声データを入れて文字起こしや要点出しをしたのですが、もはや文字起こし専用AIはいらないのではないかという印象。精度の甘さはありますが、解消も時間の問題。今後はGoogleのエコシステムのなかで全て仕事が完結するのではないかと思っています。

企業の協業が加速化

そんなGoogleは、クリエイターに特化したサービスを展開するnote社と業務資本提携を1月14日に発表し、さっそくnote内でGeminiが使えるようになるなど協業の動きも加速しています。(※1)ソフトバンクとオープンAIは合弁会社を設立して企業向けのAIの開発に着手するとの発表もありました。

新興企業にとって、インフラを持つ企業、いわばプラットフォーマーと手を組むことは自社サービスを大きく成長させられるメリットがあります。たとえば、noteならGoogleの検索エンジン上で、noteで創作されたコンテンツが上位に優先的にヒットするようになるでしょうし、Googleにとっては特定のユーザーデータを収集しやすくなり、お互いに創作に特化したAIの開発が進むなどWin-Winが見込まれる。

今後、AIベンチャーが開発したサービスをメガ企業が買い取ったり、業務提携をしたり、あるいはベンチャー自体を買収する展開が多く見られることでしょう。潤沢な資金のなかでAIは飛躍的に発展していき、メガ企業はさらに規模を大きくしていくのではないでしょうか。

(※1)この提携について、後藤達也氏によるユーザーへの影響を分析した記事がおもしろいです。

・AIに活用される戦略もアリでは -たとえばAIO-(2

もはやAIは私たちの生活一般に深く組み込まれています。各社のサービスが群雄割拠しているなかで「結局、どれを使えばいいの?」と迷いが生まれるのは当然のことでしょう。とくに企業活動において、どのようにAIを活用するかは今後避けて通れません。

そこで私が提案したいのは、「AIを使いこなす」ことから「AIに活用されるためのアナログな対策を実行する」ことへの発想の転換です。AIの仕組みを逆手に取り、自らを生かす戦略とでも言いましょうか。

戦略の一つとして今回考えたいのが自社Webサイトの「AIO」対策。AIOとは、Artificial Intelligence Optimizationの略称で「AI最適化」と訳されます。SEO(Search Engine Optimization)=「検索エンジン最適化」はご存知の方が多いかもしれません。

SEOは検索エンジンにおけるWebサイトの露出を増やすことを目的に、キーワードの選定、コンテンツの質、サイトの構造、被リンクなどを検索アルゴリズムに合わせて整えること。要素を最適化させることで検索結果の上位にサイトを浮上させることができます。

しかし、AIの発達によりWeb上のリサーチは検索エンジンではなくGeminiやChatGPTなどのチャットAIに代替されつつあります。チャットAIは回答の際に必ずあるサイトを参照・引用・要約しています。そこで、質問者の関心に合致するであろう情報の収集・分析先として、より優先的に参照されるようにWebサイトを最適化させる手法がAIOなのです。

AIは情報源を、発行元・著者・最新性・客観性・整合性・目的・状況など多角的な面で評価しています。とくに、発行元や著者が公的・専門機関であれば信頼性や権威性があるためソースとして活用されやすいと言えます。

であるならば、土木、建築、運輸、通信、飲食など、専門分野を持つ中小企業が自社のノウハウや知見、新商品・新技術等のリリースなどをサイト内の「お知らせ」「ブログ」「SNS」で頻繁に発信することで、AIの情報収集先として選定され、結果的にAIを使うユーザーの認知につながります(結果的にSEO対策にもなります)。

(※2)AIO対策に関する情報はGeminiへの質問、および下記サイトの情報をに加え、独自の見解を設けています。

SEOのその先へ。AIO対策でライバルに一歩リード!(株式会社ecbeing)

SEOの時代は終わり?これからはAIO(AI最適化)で集客力をアップ!(株式会社ディライト)

…omake…  最近、社会現象としてのAIの考察をするため『動物と機械から離れて』菅付雅信著)という本を借りました。生成AIが大きく発展する前の2019年に発刊されたものですが、洞察に優れた論が展開されており読み応えのある内容となっています(320ページ!)。ちなみに著者の菅付さんは宮崎出身の編集者です。